* ビットコインは15日に10万1000ドル台まで下落したが、10万3000ドル台を回復* アプトス、アバランチ、ユニスワップなどのアルトコインは6〜7％下落* アナリストは、夏に向けた上昇トレンドの中の調整局面と分析暗号資産（仮想通貨）市場は16日、しばらく継続していた上昇局面に一服感が広がった。数週間にわたる上昇でビットコイン（BTC）が過去最高値に迫る中、トレーダーは利益確定に動いたようだ。この調整局面は、複数のアメリカ経済指標の発表と重なった。4月の小売売上高、生産者物価指数（PPI）は予想を下回り、新規失業保険申請件数はほぼ横ばいとなった。また、ニューヨーク連銀製造業景気指数やフィラデルフィア連銀製造業指数は経済活動の鈍化を示した。だが、伝統的な金融市場への影響は見られず、S&P500は0.4％上昇、ナスダックは横ばいとなった。ビットコインは米国時間の早朝に10万1000ドルまで下落したが、その後、10万3000ドルを回復。24時間では小幅な下落にとどまった。一方、アルトコインは影響を受け、CoinDesk 20 Index（CD20）は3％下落。アプトス（APT）は5.40ドル、アバランチ（AVAX）は23.85ドル、ユニスワップ（UNI）は6.32ドルと、6〜7％の下落となった。〈CoinDesk Indices>## 上昇ドレンドの中の調整局面か投資家は今日の下落を過度に心配する必要はないとアナリストは指摘する。「現在の下落は、中期的な上昇トレンド中の調整局面だろう」とレンディングプラットフォームYouHodlerのチーフマーケット責任者、ルスラン・リエンカ（Ruslan Lienkha）氏は語った。株式市場の上昇は、米中の関税措置の延期後に一服し、短期トレーダーが利益確定に動いたという。「こうしたセンチメントのシフトが、ビットコインを含むリスク資産に波及した」CoinPanelのトレーディング・オートメーション専門家、キリル・クレトフ（Kirill Kretov）氏は「5％未満の値動きは、市場ノイズと見なされることが多い」と述べた。「今回の値動きの一部は、最近の価格上昇を受けて、利益確定を狙った投資家の動きに起因する可能性が高い。流動性が薄い中では、わずかな売りでもすぐに目立った調整につながりやすい」## 10万ドルを超えても過熱感見られず短期的な値動きから距離を置けば、現在の価格動向は健全で、すぐに天井が迫っていることを示す明確な兆候はない。K33リサーチのシニアアナリスト、ヴェトレ・ルンデ（Vetle Lunde）氏によると、ビットコインは、防衛的なポジションを示す「中立以下」の資金調達レートが長く続いた局面から脱したばかりという。「これは2023年10月と2024年のリスク回避的なパターンと似ており、過去の一時的な高値局面とは大きく異なる」とルンデ氏は述べ、10万ドルを超えてもビットコインに過熱感が見られない点を評価し、高値更新の可能性があるとの楽観的な見方を示した。## 欧米でのプライベート・クレジット拡大が後押しまた、Steno Researchは、今回の暗号資産市場への追い風は、特に米国と欧州での、プライベート・クレジット（いわゆる、非公開の企業向け融資）の密かな拡大にあると指摘。過去の強気相場は、ベースマネーの拡大、つまり、中央銀行による資金の大規模供給を背景にしていたが、今回はFRB（連邦準備制度理事会）やECB（欧州中央銀行）が量的引き締めを継続する中で起きている。「中国の流動性供給を価格上昇の主要因とする向きもあるが、的外れだ」とStenoのアナリスト、サミュエル・シフマン（Samuel Shiffman）氏は16日のレポートで述べた。「今回の上昇の背景には、欧米の銀行による信用創造の拡大がある。目立たないが、確かなエンジンとなっている」## 今後数カ月は上昇余地さらに、今後数カ月のグローバルな金融環境は改善に向かうとの先行指標が出ており、主に米ドル安がけん引しているとシフマン氏は述べた。ドル安は歴史的に見ると、ビットコイン価格の上昇につながっている。〈Steno Research>「6月から7月前半まではこの状況が続き、さらなる上昇の余地があるだろう」と同氏は述べた。「ただし、7月後半には状況が複雑化する可能性がある。先行指標は、金融緩和のピークが8月以降も続くことは難しいと示している」**【あわせて読みたい】**ビットコインとは ビットコイン 購入 ビットコイン取引所
ビットコインは10万ドル超を維持、アルトコインは下落──アナリストは「夏」の到来を予測 | CoinDesk JAPAN（コインデスク・ジャパン）
暗号資産（仮想通貨）市場は16日、しばらく継続していた上昇局面に一服感が広がった。数週間にわたる上昇でビットコイン（BTC）が過去最高値に迫る中、トレーダーは利益確定に動いたようだ。
この調整局面は、複数のアメリカ経済指標の発表と重なった。4月の小売売上高、生産者物価指数（PPI）は予想を下回り、新規失業保険申請件数はほぼ横ばいとなった。また、ニューヨーク連銀製造業景気指数やフィラデルフィア連銀製造業指数は経済活動の鈍化を示した。だが、伝統的な金融市場への影響は見られず、S&P500は0.4％上昇、ナスダックは横ばいとなった。
ビットコインは米国時間の早朝に10万1000ドルまで下落したが、その後、10万3000ドルを回復。24時間では小幅な下落にとどまった。
一方、アルトコインは影響を受け、CoinDesk 20 Index（CD20）は3％下落。アプトス（APT）は5.40ドル、アバランチ（AVAX）は23.85ドル、ユニスワップ（UNI）は6.32ドルと、6〜7％の下落となった。
上昇ドレンドの中の調整局面か
投資家は今日の下落を過度に心配する必要はないとアナリストは指摘する。
「現在の下落は、中期的な上昇トレンド中の調整局面だろう」とレンディングプラットフォームYouHodlerのチーフマーケット責任者、ルスラン・リエンカ（Ruslan Lienkha）氏は語った。
株式市場の上昇は、米中の関税措置の延期後に一服し、短期トレーダーが利益確定に動いたという。
「こうしたセンチメントのシフトが、ビットコインを含むリスク資産に波及した」
CoinPanelのトレーディング・オートメーション専門家、キリル・クレトフ（Kirill Kretov）氏は「5％未満の値動きは、市場ノイズと見なされることが多い」と述べた。
「今回の値動きの一部は、最近の価格上昇を受けて、利益確定を狙った投資家の動きに起因する可能性が高い。流動性が薄い中では、わずかな売りでもすぐに目立った調整につながりやすい」
10万ドルを超えても過熱感見られず
短期的な値動きから距離を置けば、現在の価格動向は健全で、すぐに天井が迫っていることを示す明確な兆候はない。
K33リサーチのシニアアナリスト、ヴェトレ・ルンデ（Vetle Lunde）氏によると、ビットコインは、防衛的なポジションを示す「中立以下」の資金調達レートが長く続いた局面から脱したばかりという。
「これは2023年10月と2024年のリスク回避的なパターンと似ており、過去の一時的な高値局面とは大きく異なる」とルンデ氏は述べ、10万ドルを超えてもビットコインに過熱感が見られない点を評価し、高値更新の可能性があるとの楽観的な見方を示した。
欧米でのプライベート・クレジット拡大が後押し
また、Steno Researchは、今回の暗号資産市場への追い風は、特に米国と欧州での、プライベート・クレジット（いわゆる、非公開の企業向け融資）の密かな拡大にあると指摘。過去の強気相場は、ベースマネーの拡大、つまり、中央銀行による資金の大規模供給を背景にしていたが、今回はFRB（連邦準備制度理事会）やECB（欧州中央銀行）が量的引き締めを継続する中で起きている。
「中国の流動性供給を価格上昇の主要因とする向きもあるが、的外れだ」とStenoのアナリスト、サミュエル・シフマン（Samuel Shiffman）氏は16日のレポートで述べた。
「今回の上昇の背景には、欧米の銀行による信用創造の拡大がある。目立たないが、確かなエンジンとなっている」
今後数カ月は上昇余地
さらに、今後数カ月のグローバルな金融環境は改善に向かうとの先行指標が出ており、主に米ドル安がけん引しているとシフマン氏は述べた。ドル安は歴史的に見ると、ビットコイン価格の上昇につながっている。
「ただし、7月後半には状況が複雑化する可能性がある。先行指標は、金融緩和のピークが8月以降も続くことは難しいと示している」
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